子ども部屋を2つに分けたい、リビングの一角に書斎を作りたい。そう考えて調べると、まず出てくるのが「間仕切り壁」という言葉です。
間仕切り壁とは、部屋と部屋を分けるための壁のことです。ただ、家の壁には建物を支えている壁もあり、どれでも外したり足したりできるわけではありません。
間仕切り壁とは何か、耐力壁との違い、工事で作る壁と置くだけの間仕切りの違いまでを順番に紹介します。
■間仕切り壁とは部屋と部屋を分けるための壁

間仕切り壁とは、建物の中の空間を区切って、部屋と部屋を分けるための壁です。
外の雨や風を防ぐ外壁とは違い、家の内側にある壁のことを指します。寝室とリビングの間の壁や、廊下と部屋の間の壁が間仕切り壁です。
呼び方は「間仕切り」「仕切り壁」「パーテーション」などいくつかあります。リフォーム会社の見積もりでは「間仕切り壁の設置」「間仕切り壁の撤去」と書かれることが多いです。
間仕切り壁は固定式と可動式の2つに分かれる
間仕切り壁には、床から天井までしっかり作る固定式と、あとから動かせる可動式があります。
固定式は大工さんが木や軽量鉄骨で骨組みを作り、石膏ボードを張って仕上げる壁です。可動式は引き戸や折れ戸、アコーディオンカーテン、置くだけのパーテーションなどで、開けたり動かしたりできます。
昔からあるふすまや障子も、可動式の間仕切りに入ります。
■間仕切り壁と耐力壁の違いは建物を支えているかどうか
間仕切り壁は部屋を分けるだけの壁で、耐力壁は地震や風の横からの力に耐えて建物を支える壁です。
家の内側にある壁がすべて間仕切り壁とは限りません。木造の家では、内側の壁の一部が耐力壁になっていることがあります。
耐力壁は、建物が地震で倒れないように必要な量が決められている壁です。勝手に外すと家の強さが足りなくなるので、外すには補強の工事が必要になります。
| 比べる項目 | 間仕切り壁 | 耐力壁 |
|---|---|---|
| 役割 | 部屋を分ける | 地震や風から建物を支える |
| 壁の中身 | 骨組みと石膏ボード | 筋交いや構造用合板が入る |
| 叩いたときの音 | 軽い音がしやすい | 硬く詰まった音がしやすい |
| 撤去や移動 | 基本的にできる | 補強しないとできない |
耐力壁かどうかは図面と専門家で確かめる
叩いた音で見分ける方法もありますが、音だけで決めるのは避けたほうがいいです。内側に配線や柱が通っているだけでも音は変わります。
確実なのは、家を建てたときの設計図書を見ることです。図面が手元に無いときは、建築士のいるリフォーム会社に見てもらいましょう。
■工事で作る間仕切り壁は石膏ボードの壁が基本
工事で作る間仕切り壁は、木や軽量鉄骨の骨組みに石膏ボードを張り、クロスで仕上げる形が基本です。
骨組みが木のものを木下地、鉄のものを軽量鉄骨(LGS)と呼びます。戸建ては木下地、マンションは軽量鉄骨が使われることが多いです。
工事の日数は、壁を1枚作るだけなら1日から5日ほど、多くは2日から3日です。住みながら工事してもらえることがほとんどです。
間仕切り壁を作る前に決めておく3つのこと
壁を作ってから「こうしておけばよかった」となりやすいのが、次の3つです。
- 照明とエアコン。壁で分けた側の部屋に、照明のスイッチとエアコンの風が届くか確かめます。
- コンセント。新しくできた部屋にコンセントが無いことがあるので、壁を作るときに一緒に増やします。
- ドアの位置。新しいドアが今あるドアや家具とぶつからない位置にします。
隣の音が気になるなら、壁の中にグラスウールを入れて、石膏ボードを両面2枚ずつ張る方法があります。会話やテレビの音はかなり小さくなりますが、音がまったく聞こえなくなるわけではありません。
間仕切り壁で窓の無い部屋ができるなら採光と換気に注意
建築基準法では、寝室や子ども部屋のような居室に、床面積に応じた窓の大きさが決められています。壁で分けたことで片方の部屋に窓が無くなると、法律上の居室にならないことがあります。
ふすまや引き戸のように、いつでも開けられるもので仕切った2つの部屋は、1つの部屋として扱われます。窓が片側にしか無い部屋を分けるときは、引き戸にするか、壁に室内窓を付けることをリフォーム会社に相談しましょう。
■工事なしで置ける間仕切りは突っ張りとアコーディオンカーテン

工事をしたくないなら、突っ張り式のパーテーションか、アコーディオンカーテンで部屋を分けるのが手軽です。
突っ張り式は、床と天井の間に柱を突っ張って、板や布を張るタイプです。壁に穴を開けないので、賃貸でも使えるものが多いです。
アコーディオンカーテンは、天井近くのレールから床近くまでを布やビニールで仕切れます。開け閉めできるので、昼は広く使って夜だけ分けたい部屋に向いています。
床に置くだけの低いパーテーションや屏風もあります。机の周りだけを目隠ししたいときは、これで十分なことも多いです。
■収納家具を間仕切り壁の代わりにするなら倒れない置き方が先

本棚や突っ張りラックを間仕切り壁の代わりにするときは、まず家具が倒れないように固定することが先です。
収納家具で部屋を分けると、仕切りと収納が一度にできます。子ども部屋を2つに分けるときに、本棚を背中合わせに置く家庭もあります。
ただし、壁に寄せて置く家具と違い、部屋の真ん中に置く家具は前にも後ろにも倒れやすくなります。
収納家具で間仕切りを作るときに見ておきたいところ
- 天井まで突っ張れるタイプを選ぶか、家具どうしを金具でつないで倒れにくくします。
- 背面に板が張ってあるかを見ます。背面が板の無い棚だと、反対側の部屋から中身が見えます。
- 重い本は下の段に入れます。上の段に重い物を入れると、揺れたときに倒れやすくなります。
- 家具の前に、引き出しや扉を開けられるだけの通路が残るかを測ります。
背面まで見た目がきれいな両面仕上げの棚なら、どちらの部屋から見ても違和感がありません。高さが天井より低い棚の場合は、上のすき間から光と空気が通るので、窓の無い側の部屋も暗くなりにくいです。
■賃貸とマンションは間仕切り壁を作る前に許可と規約を確かめる
賃貸なら大家さんや管理会社の許可、分譲マンションなら管理規約を、工事の前に必ず確かめてください。
賃貸で壁を作る工事をすると、退去のときに元に戻す費用を求められることがあります。許可を取らずに工事するのはやめておきましょう。
分譲マンションでは、部屋の中の間仕切り壁は自分の持ち物として工事できることが多いです。一方で、隣の家との間にある壁は戸境壁と呼ばれ、多くのマンションで共用部分にあたります。戸境壁に穴を開けたり削ったりする工事は、基本的にできません。
工事の音が出る日は、管理組合への届け出や、近所へのあいさつが必要なマンションもあります。
■間仕切り壁を撤去するなら見積もりの前に聞くこと
間仕切り壁を撤去したいときは、見積もりの前に「この壁は耐力壁ではないか」「中に配線や配管は通っていないか」の2つを聞きましょう。
間仕切り壁の中には、電気の配線やスイッチ、エアコンの配管が通っていることがあります。壁を外すなら、それらを移す工事も一緒に必要です。
壁を外したあとは、床と天井に壁の跡が残ります。床材や天井のクロスを張り替えるかどうかも、見積もりのときに一緒に決めておくと、工事のあとで困りません。
間仕切り壁とは、部屋を分けるだけの壁で、作ることも外すこともできる壁です。ただし、その壁が本当に間仕切り壁なのかを最初に確かめることが、作るときも外すときもいちばん大事です。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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