図面や見積書に「間仕切り」と書いてあって、ただの壁と何が違うのか分からない。
リフォームでこの壁を取れるのか知りたい、という人も多いです。
間仕切りとは、建築では建物の中を区切る壁や建具のことを指します。
ここでは意味と種類に加えて、壊してよい間仕切りかどうかを確かめる順番まで紹介します。
間仕切りとは? 建物の中を区切る壁や建具のこと
間仕切りとは、建物の室内を区切って部屋や廊下を作るもの全体のことです。
読み方は「まじきり」です。
区切るための壁を「間仕切り壁」、または外壁に対して「内壁」と呼びます。
壁だけでなく、襖や障子、アコーディオンカーテン、パーテーションも間仕切りに入ります。
建物ができたあとでも取り外したり作り直したりできる点が、建物を支える壁との大きな違いです。
たとえば1LDKの間取りに間仕切り壁を1枚足すと、2DKのように部屋の数を変えられます。
間仕切り壁と外壁はどこが違う? 役割と材料が違う
外壁は雨や風から建物を守りますが、間仕切り壁の役目は中の空間を用途ごとに分けることです。
そのため、間仕切り壁には外壁ほどの強さを求めない場合が多いです。
材料も軽いものが選ばれます。
| 比べる点 | 外壁 | 間仕切り壁 |
|---|---|---|
| 役目 | 雨や風を防ぎ建物を守る | 部屋や廊下を分ける |
| よく使う材料 | コンクリートやサイディング | 軽量鉄骨の下地と石膏ボード |
| あとから動かせるか | 基本的に動かせない | 耐力壁でなければ動かせる |
| 工事の期間 | 長い | 短く済むことが多い |
LGSは間仕切り壁の骨組みのこと
ビルやマンションの間仕切り壁は、軽量鉄骨の下地に石膏ボードを張って作るのが一般的です。
この軽量鉄骨の下地を、LGS(ライトゲージスタッド)と呼びます。
床と天井にランナーというレールを固定し、そこにスタッドという縦の部材を立てて骨組みにします。
骨組みの両側に石膏ボードを張り、上から壁紙を貼れば間仕切り壁の完成です。
木造の家では、LGSの代わりに木の柱や間柱で下地を作ります。
間仕切りにはどんな種類がある? 動かせるかで3つに分かれる
間仕切りは、動かせない壁と、開け閉めできる建具と、置くだけで動かせる家具に分けて考えると分かりやすいです。
どれを選ぶかで、音の聞こえ方や工事の大きさが変わります。
| 分け方 | 主なもの | 向く使い方 |
|---|---|---|
| 固定する壁 | 間仕切り壁 | 音やにおいも分けたい部屋 |
| 開け閉めできる建具 | 襖や障子や引き戸やアコーディオン仕切り | ふだんは広く使い必要なときだけ閉める |
| 置いて動かせる家具 | パーテーションや屏風や棚やカーテン | 工事をせずに目隠ししたい |
オフィスで使うパーティションの高さ
オフィスでは、天井まで届くものをハイパーティション、机くらいの高さのものをローパーティションと呼び分けます。
会議室のように声を外に出したくない場所はハイパーティションが向いています。
席の目線だけ切りたいなら、ローパーティションで足ります。
あとから足すなら可動間仕切り
子どもが大きくなったら1部屋を2部屋に分けたい、という場合は可動間仕切りを選ぶ家が多いです。
天井と床に突っ張って立てる収納家具を並べて、壁の代わりにするやり方もあります。
壁を作る工事に比べて期間が短く、また部屋を1つに戻すこともできます。
間仕切り壁は全部壊せる? 耐力壁なら残す
間仕切り壁でも、建物を支える耐力壁になっているものは壊してはいけません。
ここは間仕切りの説明でいちばん見落とされやすいところです。
耐力壁とは、地震や風で横から押される力に耐えるための壁です。
木造の家では、筋かいを入れたり構造用合板を張ったりした壁が耐力壁になります。
奥行きの長い建物では、外壁だけでは強さが足りず、中の間仕切り壁も耐力壁にしていることが多いです。
建物に必要な耐力壁の量は、建築基準法施行令第46条で決められています。
耐力壁かどうかを確かめる順番
- 家を建てたときの図面を出す
- 図面で壁に筋かいの印や耐力壁の表示があるか見る
- 分からなければ建てた会社か建築士に図面を見てもらう
- 図面が無いときは、壁の中を確かめる調査を頼む
図面に「耐力壁」と書いていなくても、筋かいを示す斜めの線があれば耐力壁の可能性が高いです。
リフォーム会社に頼むときも、最初にこの壁が耐力壁かどうかを聞いておくと話が早いです。
マンションは構造の種類で答えが変わる
柱と梁で建物を支えるラーメン構造のマンションなら、部屋の中の壁は間仕切り壁であることが多いです。
一方、壁式構造のマンションは、部屋の中のコンクリートの壁も建物を支えています。
コンクリートの壁は、どちらの構造でも個人の判断で壊せないと考えておきましょう。
共同住宅の界壁は勝手に変えられる? 法律で決まった壁
アパートやマンションで住戸と住戸を分ける界壁は、建築基準法施行令で作り方が決められていて、自由には変えられません。
界壁も部屋を区切る壁ですが、火事や音が隣へ伝わるのを防ぐ役目があります。
施行令第114条第1項では、長屋や共同住宅の各戸の界壁を準耐火構造にするよう定めています。
そのうえで、小屋裏か天井裏まで壁を届かせることも求めています。
天井の上で壁が途切れていると、そこから火や煙が隣の住戸へ回るからです。
学校や病院には防火上主要な間仕切壁がある
同じ第114条の第2項では、学校や病院、ホテル、旅館、寄宿舎などの建物に「防火上主要な間仕切壁」を求めています。
この壁も準耐火構造にして、小屋裏か天井裏まで届かせるのが決まりです。
どの壁がこれに当たるかは条文に細かく書かれておらず、設計者が建物ごとに決めています。
間仕切りを変える前にやることは? 図面と規約を見る
間仕切りを外したり足したりする前に、図面で耐力壁かどうかを見て、マンションなら管理規約も読んでおきましょう。
この2つを先に見ておくと、工事の相談で話が行ったり来たりしません。
- 外したい壁が図面のどこか印を付ける
- 筋かいや耐力壁の表示がないか見る
- マンションなら管理規約で工事の届け出の決まりを読む
- 界壁や防火の壁に当たらないか設計者に聞く
- 壊さずに済むなら可動間仕切りや家具で区切る方法も比べる
賃貸の部屋なら、壁に手を加える工事はできないことがほとんどです。
その場合は、突っ張り式の間仕切りや棚で区切ると、退去のときに元に戻せます。
間仕切りの意味が分かれば、図面の言葉もリフォーム会社の説明もぐっと読みやすくなります。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
X(旧Twitter)




