マットレスを探していると、商品名に「ポケットコイル」と書かれたものがとても多いですよね。
ボンネルコイルや高反発ウレタンと何が違うのか分からないまま、値段だけで選んでしまう人も少なくありません。
ポケットコイルマットレスとは何か、ボンネルコイルとの違い、硬さを決める数字の読み方、長く使うためのお手入れ、捨てるときの注意までを順に紹介します。
ポケットコイルマットレスとは袋入りのバネを並べたもの
ポケットコイルマットレスとは、円筒形のバネ(コイル)を1個ずつ不織布の袋に入れ、それをすき間なく並べて作ったマットレスです。
バネどうしは針金でつながっていません。
そのため、体の重い部分の下にあるバネだけが深く沈み、軽い部分の下のバネはあまり沈みません。
この支え方は「点で支える」とよく言われます。
並べたバネの上には、ウレタンやフェルトなどのクッション材が重ねてあります。
寝たときに直接バネが当たらないのは、このクッション材があるからです。
ボンネルコイルとポケットコイルマットレスの違いはバネのつなぎ方
ボンネルコイルはバネを針金でつないで「面」で支え、ポケットコイルはバネが独立して「点」で支えます。
違いを表にすると次のとおりです。
| 項目 | ポケットコイル | ボンネルコイル |
|---|---|---|
| バネのつなぎ方 | 1個ずつ独立 | 針金でつながっている |
| 寝心地 | 体の形に沿って沈む | 硬めで沈み込みが少ない |
| 隣の人の寝返りの揺れ | 伝わりにくい | 伝わりやすい |
| 湿気の抜けやすさ | こもりやすい | 抜けやすい |
| 値段 | 高め | 安め |
ボンネルコイルは、どこか1か所を押すとまわりのバネも一緒に沈みます。
夫婦や親子で1台のマットレスに寝ると、片方が寝返りを打ったときの揺れがもう片方に伝わります。
ポケットコイルはバネがつながっていないので、この揺れが伝わりにくいです。
2人で寝る人がポケットコイルマットレスを選ぶ理由は、ほとんどがここにあります。
反対に、ポケットコイルはバネがすき間なく並んでいる分、中に湿気がこもりやすくなります。
硬めの寝心地が好きな人や、湿気の多い部屋で使う人は、ボンネルコイルのほうが合うこともあります。
ポケットコイルマットレスの硬さは4つの数字で見分ける
ポケットコイルマットレスの硬さは、コイル数、線径、配列、厚みの4つを見ると見当がつきます。
どれも商品ページの仕様欄に書かれていることが多いので、買う前に見ておきましょう。
【コイル数】シングルのポケットコイルは500個前後が標準
シングルサイズのポケットコイルマットレスは、500個前後のコイルを使ったものが多いです。
市販品では、496個や528個といった数がよく見られます。
1,000個を超える高密度タイプは、1個1個のバネが小さくなり、体のより細かい形に沿って沈みます。
コイル数が多いほど硬くなると書かれることもありますが、実際の硬さは次の線径でも変わります。
【線径】1.9mmが標準 細いほどやわらかく太いほど硬い
線径とは、バネに使っている針金の太さのことです。
1.9mm前後が標準で、1.8mmならやわらかめ、2.0mm以上なら硬めの寝心地になります。
体重が重い人がやわらかすぎるマットレスに寝ると、腰のあたりが沈み込みやすくなります。
【配列】並行配列は通気性 交互配列は支える力
コイルの並べ方には、縦横まっすぐ並べる「並行配列」と、1列ずつずらして並べる「交互配列」があります。
並行配列はバネの間にすき間ができるので、空気が通りやすくなります。
交互配列はすき間が少ない分、同じ面積にたくさんのバネが入り、しっかり支えます。
【厚み】ベッドに置くなら15〜20cmが目安
ベッドフレームに載せて使うポケットコイルマットレスは、厚さ15〜20cmのものが中心です。
10cm前後の薄いタイプは、2段ベッドやロフトベッドなど、高さに制限がある場所向けです。
25cmを超える厚いタイプは、クッション材が多く入っている分、上に寝たときのやわらかさが増します。
ポケットコイルマットレスが向く人と別のマットレスが向く人
2人で寝る人、横向きで寝る人、体の一部が痛くなりやすい人には、ポケットコイルマットレスが向いています。
横向きで寝ると、肩と腰に体重が集まります。
ポケットコイルなら肩と腰の下のバネだけが深く沈むので、体がまっすぐに近い形で寝られます。
腰痛や肩こりがひどい場合、マットレスを変えるだけで良くなるとは限りません。
症状が続くときは、医療機関に相談してください。
- ポケットコイルマットレスが向く人 … 2人で1台に寝る人、横向き寝が多い人、体の形に沿う寝心地が好きな人
- ボンネルコイルが向く人 … 硬めが好きな人、予算を抑えたい人、子ども用に使う人
- ウレタンや三つ折りが向く人 … 床に敷いて使う人、使わないときは畳んでしまいたい人
ポケットコイルマットレスは重く、シングルでも20kg前後あるものが多いです。
ひとり暮らしで、引っ越しが多い人は、運ぶときの手間も考えて選ぶのがおすすめです。
ポケットコイルマットレスを長く使うお手入れは3か月ごとの向き替え
ポケットコイルマットレスは、3か月に1回、頭と足の向きを入れ替えると長持ちします。
毎日同じ場所に腰が乗ると、その部分のバネだけが先にへたります。
向きを替えるときは、次の順番でやると1人でも動かしやすいです。
- マットレスの上の寝具を全部下ろす
- マットレスを壁に立てかける
- 頭側と足側が逆になるように回して戻す
両面使えるタイプなら、表と裏の入れ替えも交互にやるとさらにへたりにくくなります。
湿気がこもりやすいので、ときどき壁に立てかけて裏側に風を通しましょう。
床に直接置くと、床との間に湿気がたまり、カビの原因になります。
すのこやベッドフレームの上に置いて、下に空気が通るようにしておくのがおすすめです。
寿命の目安は8〜10年とされています。
寝たときにバネがゴツゴツ当たる、ギシギシと音が鳴る、腰の部分がへこんだまま戻らない、と感じたら買い替えを考える時期です。
ポケットコイルマットレスは粗大ごみで出せない市もある
スプリング入りのマットレスは、粗大ごみの収集で受け付けていない市町村があります。
大阪府の箕面市では、スプリング入りマットレスを「特定処理困難物」として、通常のごみ収集に出せないものにしています。
理由は、バネを取り出す作業に手間がかかり、粗大ごみの破砕機で処理しにくいためと書かれています。
箕面市の案内では、次の3つの方法が示されています。
- 販売店に引き取りを頼む
- 自分で環境クリーンセンターに持ち込む
- 市に臨時ごみ収集を申し込む
持ち込みと臨時収集には、別に手数料がかかります。
扱いは市町村ごとに違うので、捨てる前に自分の住んでいる市町村の案内を見ておきましょう。
新しいポケットコイルマットレスを買うときに、古いマットレスを引き取ってくれる店を選んでおくと、あとが楽です。
ポケットコイルマットレスの硬さは体重と寝姿勢で決める
体重が軽い人はやわらかめ、重い人は硬めのポケットコイルマットレスを選ぶのが基本です。
目安としてよく使われるのは、次の分け方です。
- 体重40kg以下 … やわらかめ
- 体重40〜70kg … ふつう
- 体重70kg以上 … 硬め
仰向けで寝ることが多い人は、腰が沈みすぎない少し硬めが合いやすいです。
横向きで寝ることが多い人は、肩が沈むふつう〜やわらかめが合いやすいです。
お店で試せるなら、いつも寝ている姿勢で5分ほど横になってみてください。
座っただけでは、寝たときの硬さは分かりません。
ネットで買う場合は、ここまでの線径とコイル数の数字を見比べて、自分の体重に合う硬さのポケットコイルマットレスを選びましょう。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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