クローゼットの扉を開けると、上の棚には手が届かず、パイプの下には紙袋が積まれ、今着る服がどこにあるか分からない。片づかない原因は服の量より、上の棚、パイプ、下の床の3段に何を置くかを決めていないことにあります。上の棚は年に数回しか使わない軽い物、パイプは今着る服、下の床は引き出し、この3つに分けるだけで、掛ける場所と畳む場所が決まります。DAIKEN、北欧、暮らしの道具店、整理収納のハーツコード、宅配収納のカラエトの案内をもとに、段ごとの置き場所、服の減らし方、棚を足すときの測り方、湿気の防ぎ方を書きました。
上の棚は年に数回しか使わない軽い物、8割まで
上の棚は「枕棚(まくらだな)」と呼ばれ、床から170〜180cmの高さにあります。手が届きにくいので、季節外の布団や毛布、冠婚葬祭の小物、スーツケースなど、年に数回しか出さない軽い物だけを置き、棚の8割までにとどめます。毎日使う物や重い物を置くと、出し入れのたびに踏み台が要り、落ちたときに危険です。
置くときは、取っ手付きの箱に入れます。指を掛けられる取っ手があれば、高い所からでも引き出せます。箱の前面に「冬物」「礼服」「旅行」とラベルを貼ると、開けなくても中身が分かります。よく使う季節物は棚の中央、年に1回も出さない思い出の品は両端か奥に置きます。
棚に載せる重さも見ておきます。賃貸の枕棚は板が薄いことがあり、大きなスーツケースや本の束を載せると、たわんだり落ちたりします。滑り止めのシートを敷いておくと、地震のときに箱が滑り出しにくくなります。
パイプは今着る服だけ、丈で左右に分けて下を空ける
目の高さにあるパイプが、クローゼットで一番使いやすい場所です。パイプには今の季節に着る服だけを掛け、コートやワンピースなど丈の長い服を片側に、シャツやジャケットなど短い服をもう片側に寄せて、短い服の下を空けます。長い服と短い服が交互に並ぶと、裾の下の空きがばらばらになり、引き出しが置けません。
ハンガーは同じ種類でそろえます。肩の位置と厚みがそろうと、同じ本数でも幅が詰まり、服の取り出しも引っかかりません。掛けるのはしわになる服で、シャツ、ジャケット、コート、ワンピース、スラックスです。Tシャツ、セーター、デニム、下着は畳んで下の引き出しに入れます。
パイプ1本で足りないときは、パイプに引っかけて2列目を作る2段ハンガーを使うと、短い服の下にもう1列掛けられます。パイプの端には、S字フックでバッグやベルトを吊るします。季節外の服は、パイプに残さず上の棚か下の引き出しに移すと、今着る服だけが目に入ります。
下の床は引き出しで埋める、袋の直置きはしない
短い服の下にできた空きが、下の床の置き場です。引き出し式の衣装ケースを、掛けた服の裾より低い高さまで積み、下着と靴下を一番上、Tシャツ、セーターとデニムの順に、軽い物を上、重い物を下に入れます。紙袋や箱を床に直に置くと、奥が見えなくなり、出しっぱなしの物が増えていきます。
衣装ケースは、中が見える半透明の物か、前面に窓が付いた物にすると、開けなくても中身が分かります。奥行きのあるクローゼットでは、キャスター付きのケースを選ぶと、奥の物を引き出して取れます。子どもの服は、下の引き出しの一番上か、ふたのないかごに入れると、自分で出し入れできます。
アイロンや扇風機など、吊るせない物も下の床です。買ったときの箱に戻して奥に置き、手前に衣装ケースを置くと、ケースが目隠しになります。長い服の下は空きが少ないので、高さの低い引き出しか、靴やバッグの置き場にします。
| 段 | 高さの目安 | 置く物 | 使う収納用品 |
|---|---|---|---|
| 上の棚(枕棚) | 床から170〜180cm | 季節外の布団、冠婚葬祭の小物、旅行用品 | 取っ手付きの箱、不織布の袋、ラベル |
| パイプ | 目の高さ | 今の季節に着る服、バッグ | そろえたハンガー、2段ハンガー、S字フック |
| 下の床 | 服の裾から床まで | 畳む服、下着、季節の家電 | 引き出し式の衣装ケース、キャスター付きケース |
入れる前に、1年着なかった服を外に出す
置き場所を決めても、服が多すぎれば入りません。クローゼットの中身を全部出し、1年に1回以上着た服だけを戻し、3年以上着ていない服と傷んだ服は手放します。DAIKENの案内では、この「1年」と「3年」を線引きにしています。
戻す前に、ジャケット、パンツ、Tシャツと種類ごとに分けて並べます。同じ物が何枚あるかが見え、似た服の買い足しが減ります。思い出の服は、専用の箱を1つ決めて、その箱に入る数までと決めておきます。
片づいたあとに増やさない決まりも1つ作ります。「1着買ったら1着手放す」にすると、パイプの本数が増えません。上の棚も引き出しも、8割までにとどめると、出し入れのたびに崩れません。
棚を足す前に幅・高さ・奥行の3つを測る
収納用品を買う前に、メジャーで3か所を測ります。内側の幅、パイプから床までの高さ、扉の内側から奥の壁までの奥行の3つを測り、その数字に収まる棚と引き出しだけを買います。空間に合わない収納用品を入れると、隙間ができて物が入らず、扉が閉まらなくなります。
2. 高さは、上の棚の下からパイプまで、パイプから床までの2つを測る
3. 奥行は、扉の内側から奥の壁まで測る
4. 床の巾木(はばき)、天井や床の出っ張りがあれば、その分を引く
5. 掛けた短い服の裾から床までを測り、引き出しはそれより低い高さまで積む
上の棚の下やパイプの上に空きがあれば、突っ張り棚で1段足せます。突っ張り棚は、幅の伸縮の範囲に内側の幅が入る物を選び、耐荷重は載せる物の2倍を目安にします。帽子の箱やバッグなど軽い物を載せる棚にし、本や家電は載せません。
下の床は、伸縮する整理棚を置いて上下2段に分けると、上に衣装ケース、下に家電の箱が入ります。引き出しは、奥行が測った数字より短い物にしないと、折れ戸が当たって閉まりません。
湿気は上の棚にたまる、扉を開けて風を通す
クローゼットで服が傷む原因は、湿気とカビです。暖かい空気は上にのぼるので湿気は上の棚にたまりやすく、上の棚の箱は不織布など通気する素材にして除湿剤を入れ、週に1回は扉を開けて風を通します。詰め込みすぎると空気が動かず、カビが出やすくなります。
クリーニングから戻った服は、ビニールの袋を外してから掛けます。袋のまま長く置くと、中に湿気がこもってカビが出ます。下の床には、隅に除湿剤を置き、衣装ケースを床に直に置かず整理棚の上に載せると、床からの湿気を避けられます。
新聞紙を敷いて湿気を吸わせる方法もありますが、こまめに取り替えないと効きません。インクが服に移ることもあるので、服と直接触れない場所に使います。扉を開けても風が動かないときは、サーキュレーターを扉に向けて10分回します。
3つの寸法を測って、上・パイプ・下の置き場所を決める
クローゼット棚とクローゼット収納のコツは、3段に何を置くかを先に決めることです。上の棚は年に数回の軽い物を8割まで、パイプは今着る服を丈で左右に分けて、下の床は服の裾より低い引き出しで埋める、この3つで掛ける場所と畳む場所が決まります。
まず、メジャーで内側の幅、パイプから床までの高さ、奥行の3つを測ってください。そのあと中身を全部出し、1年着なかった服を外し、パイプの服を丈でそろえます。短い服の裾から床までを測れば、そこに積める引き出しの段数が決まります。
収納用品を買うのは、この順番のあとです。先に買うと寸法が合わず、隙間と出しっぱなしが増えます。片づいたら、週に1回扉を開けて風を通すだけで、次の衣替えまで崩れません。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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