玄関に腰掛けがほしくて家具サイトを見ていたら、椅子ではなく「スツール」と書かれた商品ばかりで、何が違うのか分からない。スツールとは、背もたれとひじ掛けがない1人用の腰掛けで、椅子との違いは背もたれの有無と、座る時間の長さです。選ぶときに迷うのは高さで、合わせるテーブルやカウンターの天板から25〜30cm下に座面が来る物を選べば失敗しません。家具店のルームアート松井とa.flat、家具蔵、家具レンタルのCLASの案内をもとに、椅子・ベンチ・オットマンとの違い、種類、高さの決め方、座面と耐荷重の見方を書きました。
スツールは背もたれとひじ掛けがない1人用の腰掛け
まず言葉の意味からです。スツールとは、座面と脚だけでできていて、背もたれもひじ掛けもない1人用の腰掛けのことです。座面が丸い物が多いので「丸椅子」と呼ばれることもあり、日本の「床几(しょうぎ)」に近い家具です。
できることは3つあります。背もたれがないぶん場所を取らず、テーブルの下やベッドの脇に押し込んで片づけられます。前後の向きがないので、どの方向からでも座れます。座る以外に、足を乗せる台、荷物を置く台、鉢植えやランプを飾る台としても使えます。
この3つのうち、椅子にはできないのが「どの向きからでも座れる」と「台として使う」です。キッチンで作業の合間に腰掛け、来客のときは食卓に1脚足し、使わないときはソファの脇でサイドテーブルにする、といった使い回しがスツールならできます。
椅子との違いは背もたれ、座る時間は30分が線引き
椅子とスツールの違いは、見た目では背もたれの有無、使い方では座る時間の長さです。食事や仕事で1時間以上座る場所には背もたれのある椅子、玄関で靴を履く、料理の合間に座る、来客に1脚足すといった30分までの場面にはスツールが向きます。背もたれがないと体を預ける場所がなく、長く座ると背中と腰に力が入り続けるからです。
ベンチとオットマンとの違いも、ここで分けておきます。ベンチは2人以上が横に並んで座る長い腰掛けで、背もたれがある物もない物もあります。オットマンはソファの前に置いて足を乗せる専用の台で、座面がやわらかく、脚が短い物が多いです。
| 項目 | スツール | 椅子 | ベンチ・オットマン |
|---|---|---|---|
| 背もたれ | ない | ある | ベンチはどちらも。オットマンはない |
| 座る人数 | 1人 | 1人 | ベンチは2人以上。オットマンは1人 |
| 向く時間 | 30分まで | 1時間以上 | ベンチは食事、オットマンは足置き |
| 座る以外の使い方 | 足置き、荷物置き、飾り台 | ほぼ座るだけ | オットマンは腰掛けにもなる |
| 売られ方 | 単体 | テーブルとセットが多い | ベンチはセットも単体も |
オットマンとスツールは、実際にはほぼ同じ使い方ができます。足を乗せるのが主ならオットマン、腰掛けるのが主ならスツールと考えて、置く場所で決めれば十分です。デスクの椅子をスツールで済ませたい人もいますが、1時間以上座る作業なら背もたれのある椅子にしてください。
種類は高さで3つ、機能で3つに分かれる
スツールの種類は、高さと機能の2つの軸で見ると整理できます。高さではロースツール、普通の高さのスツール、ハイスツールの3つ、機能では収納付き、折りたたみ、スタッキングの3つに分かれます。売り場の名前は「キッチンスツール」「フットスツール」「バースツール」など多いですが、この6つのどれかに当てはまります。
| 種類 | 座面の高さ | 向く場面 |
|---|---|---|
| ロースツール(ミニスツール) | 25〜35cm | 玄関の靴履き、子ども、ソファの足置き、荷物置き |
| 普通のスツール(キッチンスツール) | 40〜45cm | 食卓の予備、キッチンの作業の合間、デスクの脇 |
| ハイスツール(バースツール) | 60〜71cm | キッチンカウンター、ハイテーブル。足置き付き |
| 収納付きスツール | 30〜45cm | 座面の下にひざ掛けやおもちゃを入れる |
| 折りたたみスツール | 30〜45cm | 来客用に平らにしまう、車に積む |
| スタッキングスツール | 40〜45cm | 重ねてしまう。来客が多い家で複数持つ |
フットスツールは、座面が布や革でやわらかく作られたロースツールで、オットマンの代わりになります。キッチンスツールは、コンロの前で立ったり座ったりしやすいように、普通の高さで座面が丸い物を指すことが多いです。高さを調節できる型もあり、42〜62cmのように範囲で書かれているので、食卓とカウンターの両方で使いたい人に向きます。
収納付きは、リビングの小物を隠したい家で役に立ちます。折りたたみは、来客用に2〜3脚を押し入れにしまっておく使い方に向き、スタッキングは、出しっぱなしで重ねておける家に向きます。どれか1つで迷ったら、置きっぱなしにするなら収納付き、しまうなら折りたたみです。
玄関は40cm、食卓は42〜45cm、カウンターは60〜65cm
スツール選びで一番つまずくのが高さです。合わせるテーブルやカウンターの天板から25〜30cm下に座面が来る高さを選び、玄関の靴履きなら40cm前後、食卓なら42〜45cm、キッチンカウンターなら60〜65cmが目安です。この天板と座面の差を「差尺(さじゃく)」と呼び、a.flatは250〜300mmを基準にしています。
食卓の天板は70cm前後が多いので、70から25〜30を引いた40〜45cmが座面の高さになります。キッチンカウンターは85〜100cmなので、60〜65cm、天板が高ければ70cm前後のハイスツールです。ルームアート松井の案内では、子ども用は未就学児で25〜30cm、小学生以降で30〜35cmとしています。
テーブルに合わせずに玄関や廊下に置くだけなら、立ち座りがしやすい40cm前後で、足の裏が床にしっかり着く高さを選びます。座ったときにひざの角度が90度に近くなる高さが、立ち上がるときに力が要りません。
2. 合わせるテーブルやカウンターがあれば、床から天板までをメジャーで測る
3. 天板の高さから25〜30cmを引いた数字を、座面の高さの目安にする
4. 合わせる物がなければ、座る人のひざの高さ(床からひざ裏まで)を測り、その数字に近い高さを選ぶ
5. 商品ページの「座面高」か「高さ」を見て、目安の数字と5cm以上ずれていない物を選ぶ
座面は30cm角以上、踏み台にするなら耐荷重100kg
高さが決まったら、座面と脚と重さを見ます。座面は30cm角か直径30cm以上、脚は4本、耐荷重は大人が座るなら80kg以上、踏み台にも使うなら100kg以上の物を選びます。1人用スツールの座面は30〜50cm幅が多く、30cmは短い時間の腰掛け向き、35cm以上あると来客に出しても窮屈になりません。
座面の形は、丸は圧迫感が少なくどの向きからも座りやすく、四角は置いたときに安定して見えます。素材は、木は硬いが乾拭きだけで手入れが済み、布はやわらかいが汚れが染みやすく、合成皮革は拭けて座り心地はその中間です。屋外に置くなら、雨にぬれても傷まないポリエチレンの物にします。
重さは使い方で決めます。持ち運んで使うなら2kg前後の軽い物、置きっぱなしで安定させたいなら4kg以上の物が向きます。脚の先にフェルトやゴムが付いているかも見ておくと、床に傷が付かず、引きずったときの音も出ません。
使う場所を1つ決めて、天板の高さを測ってから選ぶ
スツールとは、背もたれとひじ掛けのない1人用の腰掛けで、30分までの短い時間座る場面と、台として使う場面に向く家具です。椅子との違いは背もたれと座る時間、選び方は天板から25〜30cm下の座面の高さ、30cm角以上の座面、80kg以上の耐荷重、この3つで決まります。
まず、家のどこで一番使うかを1か所に絞ってください。玄関なら40cm前後のロースツールか普通の高さ、食卓の予備なら42〜45cmのスタッキング型、カウンターなら60〜65cmのハイスツールです。合わせるテーブルがあるなら、メジャーで天板の高さを測るところから始めます。
1時間以上座る場所には、スツールではなく背もたれのある椅子を選んでください。それ以外の場所なら、スツール1脚で腰掛けと台の両方を済ませられます。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
X(旧Twitter)




